見逃してはいけない不動産のSOSサイン
2018年12月28日
今回は、見逃しがちな外壁のSOSサインについてです。外壁の損傷は、普段、人目につかず、生活する上であまり気にならないため、放って置かれることが多いようです。しかし、その状態が続くと、雨水が建物内部に侵入し、雨漏りの原因になります。悪化すると内部の木材が腐食したり、鉄筋が錆びて爆裂(鉄筋の錆びた部分の体積が増加し、コンクリートが内部から破裂すること)したりします。そのような状態になると、建物全体の強度が著しく低下し、とても危険です。そうならないために、外壁の損傷には早めに対処することが必要です。以下では主要な外壁の施工法ごとにSOSのチェック項目についてみていきます。
1.サイディング
各サイディングはシーリング(コーキングともいう)材というゴム状のパッキンで繋がれていますが、最も注意を要するのはこのシーリング部分です。この部分に亀裂が入ったり、サイディングと離れたりすると雨漏りの原因になります。シーリングは元々柔らかいのですが、乾燥して堅くなるとこの症状が出やすくなるので要注意です(早い場合は施工後3年程度で堅くなります)。サイディングそのものの浮きや反(そ)りも雨漏りの原因となりますが、これは目視でみつけるしかありません。また、チョーキング(触ると壁の白い粉が着く状態)は防水効果が切れたサインなので塗装が必要となります(下記モルタルの場合も同じです)。
2.モルタル
モルタルは、クラック(ひび割れのこと)が入り安いのが欠点です。クラックは幅3mm、深さ4mmを超えると雨水が浸入する可能性が高くなるため補修が必要となります。浮き・剥がれは、塗装が下地から浮き上がっている状態ですので、この状態になるとかなり危険です。
3.タイル
浮き、クラック、欠損、剥離等に気をつける必要があります。特に浮きは目視ではわからないため、打診棒(安く手に入ります)で直接叩いて異常な音がした場合はタイルが浮いている証拠で、その部分の張り替えが必要です。
(こちらの内容はOITA CITY PRESS 2019年1月号に掲載されています)
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