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マンションの価値は「管理」で変わる

2019年3月6日

マンションの価値は管理によって変わると言われています。なぜでしょうか

1.売買は一瞬、管理はずっと

皆さんは、予算の外、立地条件、周辺環境、外観、部屋の間取・内装・設備等を考慮してマンション購入を決定すると思いますが、それは一瞬の出来事です。しかし、管理はマンション所有後もずっと続きます。部屋の内装やキッチン・浴室等、自分の専有部分がいくら綺麗で豪華でも、外壁やエントランス等の共用部分がボロボロだったら誰もそのマンションを買いたいと思いません。また、そこで快適な暮らしを送ることもできません。この共用部分の維持管理は、マンション管理の大きな役割の一つです。

2.通常の管理と大規模修繕

通常の管理業務でよく問題となるのは、総会の運営です。管理会社が議事・進行について適切な対応を取らなかった場合、総会が大きく荒れたり、最悪の場合、成り立たなかったりすることがあります。大規模修繕では管理会社の対応次第で1回の工事で1千万円以上の差が発生したりすることがあります(例えば、管理会社のいわれるままの過大な工事内容で、紹介された業者1社の見積を信じて工事を発注した場合等)。また、修繕積立金が足りず、大規模修繕の際に管理組合が金融機関から借入をしたり、一戸当たり数十万円の追加徴収を行ったりしてこれをまかなうケースも見られます。修繕積立金の不足は、管理組合が借金経営に陥っているわけですから、マンションの資産価値を下げる要因になります。

3.マンションの価値を維持するためには、管理が極めて需要

上記2のような問題が起こらないようにするために、管理会社の選定は極めて重要です。管理会社に不満があれば、変更することも視野に入れるべきです。また、管理を管理会社に丸投げし、管理組合が事なかれ主義に陥ることは、マンションの価値を低める結果になりかねません。マンションの資産価値を維持するためには、マンションオーナーたる管理組合員が自分の財産は自分で守るという自覚が何よりも大切だと考えます。

 (こちらの内容はOITA CITY PRESS 2019年3月号に掲載されています)

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