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不動産を購入した場合にかかる費用について

2020年1月31日

土地・建物等の不動産は高額なため、その価格ばかりに目が行きがちです。しかし、不動産を購入した場合、不動産の代金以外にも下記のような様々な出費が必要となるため注意が必要です。

 

 

1 仲介手数料

仲介手数料とは、売主と買主の間に入って意見の調整や交渉、契約事務等を行ってもらった場合に不動産会社に支払う手数料のことです。通常は売買価格×3%+6万円(別途消費税が必要)です。なお、新築のマンションや建て売り住宅は、仲介業者を通さず、売主から直接購入するのが一般的です。この場合、仲介手数料は不要となります。

 

 

2 税金関係

印紙税、登録免許税、不動産取得税等がかかります。

 

【印紙税】

不動産売買契約書や銀行でお金を借りた場合の金銭消費貸借契約書に貼る印紙代のことです。売買価格や借入金額によって異なり、例えば、契約書の記載金額が500万円超1,000万円以下なら10,000円、1,000万円超5,000万円以下なら20,000円です。

但し、2020年3月末までは軽減措置により、不動産売買契約書に関しては、これらの範囲内であれば半額となります。

 

【登録免許税】

不動産の登記をする際にかかる税金です。土地・建物は「固定資産評価額×2%」、抵当権設定登記には「借入額×0.4%」が原則です。

但し、2021年3月末まで土地は1.5%、2022年3月末まで建物は0.3%、抵当権は0.1%に税率が軽減されています(建物・抵当権は自己の居住用建物に限ります※)。

※軽減措置が受けられる建物の要件

・自らが居住するための住宅であること

・床面積が50m2以上(マンションは内法面積)

・中古建物は築年数の制限があり、マンションは築25年以内、木造一戸建て は築20年以内。この築年数を超えていても、建築士が耐震診断をするなどして現在の耐震基準(新耐震基準)に適合していることが証明できれば同じように軽減を受けられる。

・住宅専用家屋又は住宅部分の床面積の割合が9割以上の併用住宅であること

 

【不動産取得税】

土地や建物を買ったときにかかる都道府県税です。土地・建物とも「固定資産評価額×4%」が原則です。

但し、2021年3月末まで、①土地は「固定資産評価額×1/2×3%」、②建物は「固定資産税評価額×3%(税率)」に軽減されています。さらに、③自らが住む住宅等を取得した場合、1997年以降に建てられた住宅であれば「(固定資産評価額-1200万円)×税率(3%)」(※)、その敷地は「土地1m2当たりの固定資産評価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200m2が限度)×税率(3%)」、または「4万5千円」のいずれか多い額を①で求めた税額から控除できます(※)。

※軽減措置が受けられる建物の要件

・床面積が50m2以上240m2以下
・取得者の居住用、またはセカンドハウス用の住宅
・1982月1月1日以降に建築されたもの、または新耐震基準に適合していることが証明されたものは、次の新築時期に応じた控除額となる

新築時期 控除額
1997年4月1日以降 1,200万円
1989年4月1日以降1997年3月31日まで 1,000万円
1985年7月1日以降1989年3月31日まで 450万円
1981年7月1日以降1985年6月30日まで 420万円
1976年1月1日以降1981年6月30日まで 350万円

 

 

3 その他

普通の住宅なら、登記を司法書士に頼んだ場合の手数料が5~10万円程度、銀行にお金を借りる場合の契約手数料が2~5万円程度かかります。

 

 

4 まとめ

以上の費用を考慮すると、売買代金以外に不動産購入に要する経費の目安は、概ね「売買金額の5%~6%」となります。また、その中で、仲介手数料、登録免許税、不動産取得税の占める割合が高く、住宅を購入する場合は、登録免許税、不動産取得税の軽減措置が大きいことがわかります。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2020年2月号に掲載されています)

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