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地価比較③/中島VS駅南

2024年8月10日

今回は、大分市における高価格帯住宅地の代表である中島地区(中島中央)と大分駅南地区(金池南、区画整理地区外)の地価を比べてみようと思います。

 

1.各地区の現在の地価水準

国土交通省発表の地価公示(同一地点における毎年1月1日時点の地価を公表する制度です)によると、2024年1月時点におけるそれぞれの地価は「中島」が120,000円/㎡(公示地番号7)、「駅南」が155,000円/㎡(公示地番号31)で、「駅南」の地価は「中島」の約30%高となっています。以下では、同様に上記公示地を比較対象とします(但し、駅南については2006年の地点変更前の公示地も参考にしています)。

 

2.各地区の地価推移

それでは、21世紀に入ってからそれぞれの地区の地価はどう推移してきたのでしょうか。2001年1月時点の地価は「中島」が188,000円/㎡、「駅南」が160,000円/㎡で、「駅南」の地価は「中島」より約15%安でした。しかし、両地区の地価は2009年に逆転し、「中島」が131,000円/㎡、「駅南」が136,000円/㎡となります。また、2001年におけるそれぞれの地区の地価を100.0とすると、2024年の地価は「中島」が63.8、「駅南」が96.9となります。このように21世紀に入り「駅南」の地価は「中島」と逆転し、大幅に上回る水準に達しました。その大きな要因は、①隣接地域における大分駅南土地区画整理事業の実施(1996年~2016年)、②大分駅高架化(2012年)、③駅ビルの開業(2015年)という戦後大分市におけるもっとも大きなプロジェクトが実施された時期と重なり、「駅裏」といわれていた「駅南」の環境が激変し、皆があこがれる地域へと変貌したことです。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2024年8月号に掲載されています)

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