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地価比較④/松が丘VSふじが丘

2024年9月6日

今回は、大分市稙田地区の比較的古い大規模団地である「松が丘」と「ふじが丘」の2つの地価を比べてみようと思います。

1. 各団地の現在の地価水準

大分県発表の地価調査(同一地点における毎年7月1日時点の地価を公表する制度です)によると、2023年7月時点におけるそれぞれの地価は「松が丘」が58,500円/㎡(基準地番号50)、「ふじが丘」が58,000円(基準地番号49)で、「松が丘」と「ふじが丘」の地価の差は1%未満です。以下では、同様に上記基準地の価格を比較対象とします。

2.各団地の地価推移

それでは、21世紀に入ってそれぞれの団地の地価はどう推移してきたのでしょうか。2001年7月時点の地価は「松が丘」が72,000円/㎡、「ふじが丘」が58,000円/㎡で「ふじが丘」の地価は「松が丘」の80.6%にすぎませんでした。その後、いずれの団地も地価下落が続き、「松が丘」は2015年の44,000円/㎡、「ふじが丘」は2016年の40,700円/㎡が底値となりました。「松が丘」の底値を100.0とすると、「ふじが丘」の底値は92.5となり、この期間に両団地の価格差は大きく縮まりました。その後、両団地とも地価が大きく上昇しましたが、価格差はさらに縮まり、前記のとおり、その差は1%未満となっています。このような結果になった理由として、「松が丘」の隣接地域では近年、新たな分譲開発がほとんど見受けられないのに対し、「ふじが丘」の隣接地域では「ふじが丘」を上回る価格水準の中小規模分譲地の開発が数多く行われことが影響したものと考えます。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2024年9月号に掲載されています)

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