不動産鑑定士という職業
2018年9月13日
大部分の皆さんにとって、不動産鑑定士はあまり馴染みがない職業だと思います。まず、絶対数が少なく(全国に約8,000名、県内に36名)、弁護士や医師のようにテレビドラマに出てくることもほとんどありません。そこで、不動産鑑定士という仕事を皆さんに知ってもらうため、不動産鑑定士はどのような仕事をしているかについて説明したいと思います。
不動産鑑定士は、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき制定された国家資格です。その名のとおり、不動産(土地及び建物)の価格や賃料を決定することが主たる業務です。
皆さんに身近なところでは、「地価公示」・「地価調査」があります。前者は国土交通省が1月1日時点、後者は都道府県が7月1日時点の同一地点の地価を毎年公表しています。その結果は「○○の地価がいくら、対前年△△パーセント上昇(下落)」という形で毎回新聞の1面に掲載され、テレビやラジオでも大々的に取り上げられるため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。この地価公示・地価調査は、実質的に不動産鑑定士が行っています。その他に固定資産税評価や相続税評価に関する業務、官公庁が道路や公園整備等を行うに際して土地の取得が必要な場合、その買収価格の決定にも不動産鑑定士が大きく関与しています。
以上は公的なものですが、民間部門では、銀行の担保評価、不動産の売買・交換、相続における遺産分割等において不動産鑑定が活用されています。特に平成27年度の相続税改正により、基礎控除が「5,000万円+1,000万円×相続人数」から「3,000万円+600万円×相続人数」に減額されて以降、一般の方々からの相談も急激に増えています。
このように不動産産鑑定士の活動は、意外に皆さんの生活に関係していることがおわかりになられたのではないでしょうか。
(こちらの内容は、大分団地新聞9月号に掲載されています)
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